風がかたり光がしめすもの

感光と随感と思索による記録

三月末の千鳥ヶ淵公園の桜

 前回の記事で書いたように熊谷であまり撮影できなかった私は、つぎの撮影地として「千鳥ヶ淵公園」に足を運んだ。ここも春になったら撮影したいと考えていた場所であり、しかも東京での開花宣言のほうが早かったので熊谷よりは良い写真が撮れるのではないかと期待することができた。仮に桜の開花がおもったより進んでいなくても、千鳥ヶ淵公園のライトアップもされているし、東京ならほかにも魅力的な被写体がある。

 

 

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 千鳥ヶ淵公園の桜も見頃にはまだ早かった。いくつかの桜木は春のよそおいに改められていたが、大多数の木々は、まわりから浮くことをおそれて春服に変えるのを躊躇っているかのように、様子をうかがいながらすこしずつ蕾を開いているように見えた。


 ライトアップされる日没まで時間があったので、被写体を求めつつ、日没後に撮影する地点を定めるために、公園をめぐることにした。
 


 
 残念ながら、当初目的のひとつとしていた展望台では、三脚の使用を禁止する張り紙がしてあった。私はしかたなく、さきほど歩いた公園の周辺で、人の邪魔にならず、全体を撮影できそうなところを求めてふたたびさまよった。結局この日撮れたのは、次のような写真だけだった。

 
 この日に撮影した写真は満足できるものではなかった。一ヶ月ほどカメラをさわっていなかったことで、むかしよりも腕が衰えた気がする(まあそんな腕前でもなかったけれど)。場所をもとめてムダに歩きすぎたために疲労も蓄積していて、集中力も散漫になっていた。それでこの日は不本意ながら切り上げることにした。